俳句会|天穹誌作品|天穹俳句会

活動状況

平成29年5月


天穹俳句会 主宰詠


 引く前の白鳥水に混み合へり
 白鳥帰る日々餌付けせし爺残し
 城にある栄枯盛衰鳥雲に
 剪定師小はぜきちりと大使館
 剪定の音筒抜けに甲斐の空
 春の土尾で立ち上がるカンガルー
  京王百草園 六句
 急坂の脚和まする蕗の薹
 紅梅や恋歌の碑の苔むせり
 老木に杖や添へ木や梅真白
 萱葺の小暗き座敷吊し雛
 梅が香や白妙の富士をちに見て
 膝にくる石段下り落椿
  大宮第二公園 三句
 芽吹く枝浅葱の空を絡め取る
 啓蟄やテント混み合ふ陶器市
 春めくや魚の皿を二つ買ふ

天穹俳句会 風悠同人

 福田龍青   浅き春
   淡雪にぽつと艶めく東京駅
   淡雪の東京駅が深呼吸
   淡雪の新宿駅は吐息がち

 野間しげる  はくれん
   待つといふたのしき時間猫柳
   母の遺せし砥部の小皿よ木の芽和
   一言に三言応へて日永かな

 安江利子   山笑ふ
   山笑ふつかつかやつて来し風に
   嬉しさや雛見る曾孫一人増ゆ
   はくれんの白今生の息づかひ

 山口美智   崩し文字
   軒先に密漁といふ若布干す
   啓蟄やによろりによろりと崩し文字
   大地より歌が溢れて犬ふぐり

天穹俳句会 風悠同人

 籠田幸鳴   目刺
   何の咎あつて連座の目刺かな
   焼かれても悔し涙の出ぬ目刺
   下萌や畦を均せし鍬の跡

天穹俳句会 風尚同人

 折鶴のかすかな震へ春の雷    山口ひろ女
 朝の厨春筍捌く香の満てる    菅原研吾
 楓の芽千人針の紅がほど     立道すみ女
 夜は梅の香を身ほとりに伎芸天  中家朱美子
 寒明忌若書きの句の匂ひ立つ   屋内修一

天穹俳句会 風韻同人

 春寒や電話のベルの一度きり   荒木洋子
 旅人に会釈する村糸桜      藤栄誠治郎
 ちよつとだけ地軸たわみて春一番 塚本一夫

天穹俳句会 風霜同人

 春の闇寝る間もうごく犬の耳   藤本さな女
 ものの芽へ蠢くものに犬の鼻   山下早千子
 観梅や何故かひそひそ声になり  大和田静子

天穹俳句会 心にひびく1句

 裸木に対ひ裸木たれぬ身よ       上山本一興
 選者:風悠作家            安江利子

 隙間なく浮かべて入る柚子湯かな    持永惠山
 選者:3月号「風尚」巻頭作家     前橋竹之

 年忘れ下戸にお酒の当たりくじ     鴨川瑞音
 選者:3月号「風韻」巻頭作家     上田時生

 昨日とは違ふ匂ひの落葉掻く      星加鷹彦
 選者:3月号「風霜」巻頭作家     大和田静子

 冬空に初登板はストライク       西岡隼生(小学5年)
 選者:3月号「花篝」巻頭作家     田中国太郎