俳句会|天穹誌作品|天穹俳句会

活動状況

平成30年1月


天穹俳句会 主宰詠


   見沼通船堀 五句
 通船堀をふはりと鷺や水の秋
 竹春のあをきトンネルくぐりけり
 寄棟は差配の屋敷貴船菊
 唐箕・臼残れる土間やちちろ鳴く
 閘門の木組みにシート秋黴雨
 商店街途切れ寺町鵙日和
 色鳥や句稿を正す消せるペン
 菊枕余命五年は延びさうな
 ペースメーカー埋めしと破顔芋煮食む
 新酒買ふ秩父の蔵に試飲して
 古酒を酌む意気と覚悟に感じては
 木枯し一号ひと日を置いて十三夜
 立冬や百人町に墨を買ふ
 冬あたたか趣味の俳句が仕事めく
 褞袍着て何やら岸部一徳に

天穹俳句会 風悠同人

 福田龍青   初冬
   立冬のあかとき湯屋の黒煙
   安全帽記名の釘に暮早し
   暮早し灯を乞うてをる負け将棋

 野間しげる  小春
   酒蔵の重たき大戸秋の声
   酒を利く顔に変はりし男かな
   眼鏡とり酒利く顔となる女

 安江利子   利酒
   利酒や脳あたらしくなる気配
   醸造の生きてゐる水新走
   目で誘ふ日々金柑の色満ち来

 山口美智   寒昴
   捨畑に伸び揃ひたる猫じやらし
   酌交はすラカンも居りぬ穴まどひ
   蜜柑捥ぐ少女に大き軍手かな

天穹俳句会 風悠同人

 籠田幸鳴   天竺の風情
   初紅葉異人のはしやぐ渡月橋
   秋天へ黄金の䲭尾の逆さ蹴り
   運動会皆に紙の金メダル

天穹俳句会 風尚同人

 すぐそこが半日の留守古ショール  青木遵子
 子に教はるスポーツ用語天高し   立道すみ女
 騎馬戦の吾子は胴体秋うらら    屋内修一
 樹木医へ森の挨拶けらつつき    宮﨑茂子
 飲酒十徳高く掲げて秋澄めり    山口ひろ女

天穹俳句会 風韻同人

 それとなく仕事の匂ふ夜学生    石川洋子
 肌寒や湯気の香甘き玉子焼     塚本一夫
 瓶詰のゼリービーンズ秋日和    荒木洋子

天穹俳句会 風霜同人

 秋空に響く迷子のアナウンス    岩澤由紀
 被災地には遠慮し給へ稲雀     浜崎かづき
 脇見せず主待つ犬秋の暮      細貝勝徳

天穹俳句会 心にひびく1句

 老鶯のこゑ天空を磨きゆく       上山本一興
 選者:風悠作家            安江利子

 ぽきぽきと指を鳴らして踊の輪     石川洋子
 選者:11月号「風尚」巻頭作家    立道すみ女

 香の物大きく切りて盆支度       野沢明子
 選者:11月号「風韻」巻頭作家    藤井祐喜

 病院を出る子残る子星祭        曽我晶子
 選者:11月号「風霜」巻頭作家    細貝勝徳

 かぶとむしたまごをうんでおおさわぎ  しばたえいじ(小学1年)
 選者:11月号「花篝」巻頭作家    田中正隆