俳句会|天穹誌作品|天穹俳句会

活動状況

平成30年12月


天穹俳句会 主宰詠


 子規庵の机の刳りに坐し秋思
 溶岩原の空の青さよ吾亦紅
 表札に寓とある家竹の春
  東京都庭園美術館(旧朝香宮邸) 四句
 美術の秋先住民の木彫り椅子
 宮様の白磁のトイレ冷えびえと
 突つ支ひ棒二百十日の老松に
 鷺ばさと残る暑さを羽搏けり
  靖國神社 三句
 零戦は黙の語り部蜻蛉伏す
 父も乗りし軍馬の像や秋澄めり
 英霊も昭和も遠し秋のこゑ
  常陸国總社例大祭 三句
 遠くより石岡囃子秋祭
 町ごとの幌獅子が練る在祭
 里祭をみなら法被着て凛凛し
 懸巣叫ぶカード預かりますは詐欺
 駅前通りを塞ぐ倒木台風禍

天穹俳句会 風悠同人

 福田龍青   十三夜
   磐梯の師碑は斜に立つ十三夜
   月読みの師碑は晴れてや十三夜
   雲キラリきらりと切れて後の月

 野間しげる  案山子
   秋の夜や揃ひし男みな無口
   老人を見つけし秋の蚊なりけり
   補聴器も眼鏡も外し虫の夜

 安江利子   雫の帽子
   雲間より人こぼれくる山白露
   風に伏すコスモス風に立ち直る
   まだ夢を見つづけてゐる網鬼灯

 山口美智   一族の墓
   子らの声渦となるまで大花野
   船大工の舟形の家ちちろ鳴く
   島なれや小火に五台の消防車

天穹俳句会 風悠同人

 屋内修一   葡萄食む
   一房へ子の手親の手葡萄食む
   風爽か子規が天地の二十坪
   有線の声の切れ切れ芋嵐

 籠田幸鳴   敬老の日
   秋の夜や親しむものに電子辞書
   名月や家路を影と二人連
   野分跡裂かれし生木匂ひ立つ

天穹俳句会 風尚同人

 小鳥来る窓の大きな異人館      山口ひろ女
 農夫踏んで巧みに栗の毬外す     菅原研吾
 さびしらの越後の浜や白秋忌     青木遵子
 ペン先ではじく厄日の団子虫     村井郁子
 蓑虫をやたらに吊し静かな木     米田由美子

天穹俳句会 風韻同人

 子の籠におまけいつぱい栗拾ひ    鈴木優子
 下り鮎海まで遠き千曲川       久保田雅久
 蒼穹を手繰り寄せたる鰯雲      塚本一夫

天穹俳句会 風霜同人

 難波の地名は省略多し西鶴忌     大平政弘
 敬老日ぢぢばば同士ほめあふ日    細貝勝徳
 裂帛の気合神社の秋気裂く      浜崎かづき

天穹俳句会 心にひびく1句

 鉄屑に戦後の匂ひ草いきれ       上田時生
 選者:風悠作家            福田龍青

 稲妻や幼き頃の貰ひ風呂        荒木洋子
 選者:10月号「風尚」巻頭作家    加納千女

 たからものは抽斗のなか雲の峰     さいとう酔夢
 選者:10月号「風韻」巻頭作家    荒木洋子

 ぞぞぞぞと湧く舟虫や秘密基地     荒井伸
 選者:10月号「風霜」巻頭作家    高垣わこ